「鉄は、愛に応えてくれるんだよぉぉぉ!!」
……いきなりの絶叫で失礼します。
本日は、静謐な屋根裏部屋を飛び出して、熱気渦巻くGRAVITYの厨房からお届けします。
新連載「テラ・ロジカ観測録:実践編」。
ここでは、私たちスタッフが愛用している道具や、その使い方について「実用的」な情報を発信していきます。
記念すべき第1回のテーマは、キャンプ料理の王様「ダッチオーブン」。
解説してくれるのはもちろん、この方です。
厨房の主役と、黒い相棒

厨房の中央で、真っ黒で巨大な鍋を愛おしそうに頬擦りしている女性がひとり。
今日の「ブラックポットちゃん」も、黒光りしてて最高にセクシーだと思わない!?
この重厚感! 鈍い輝き! んーっ、たまらないっ!
今日はその「魔法の鍋」の秘密について、初心者の私にもわかるように教えてくれるんですよね? リョウリ先生?
私が水を向けると、リョウリさんはビシッと鍋を掲げました。
この子がただの「重たい鉄の塊」だと思ってる人類に、その真の力を叩き込んであげるから!
メモの用意はいい!?
基礎知識:ダッチオーブンって何?
すごく重たいですし、手入れも大変そうですけど。
ダッチオーブンっていうのはね、分厚い「鋳鉄(ちゅうてつ)」でできた魔法の鍋なの!
🍳 リョウリの「ここが凄いよダッチオーブン!」
- 魔法の蓄熱性: 一度温まると冷めにくい! 食材を入れた瞬間に温度が下がらないから、お肉がジューシーに焼けるんだよ!
- 圧力効果: 重たい蓋が蒸気を逃さないから、圧力鍋みたいに短時間でホロホロになるの!
- 全方位攻撃: 「焼く」「煮る」「蒸す」「揚げる」「燻す」……これ一台で全部できちゃう万能選手!
- オーブン機能: 蓋の上に炭を置けば、上下から熱を加えられる。つまり「野外オーブン」になるんだよ!
キャンプ場にこれ一台持っていけば、どんな料理だって作れちゃうんだから!
でも、買ったばかりの新品は、なんだか銀色っぽくて、この鍋みたいに黒くないですよね?
最初の儀式:「シーズニング」で鍋を育てろ!

私の質問を聞いた瞬間、リョウリさんの表情が真剣な「職人の顔」に変わりました。
お店で売ってる新品の子は、まだ錆止めワックスを塗られた「赤ちゃん」の状態なの。
そのまま料理したら鉄臭くて食べられないよ!
🔥 鉄鍋を育てる「シーズニング」の手順
1. 洗礼(洗う):
まずは洗剤を使って、錆止めワックスをゴシゴシ洗い流す! これが最初で最後の洗剤だよ!
2. 浄化(空焼き):
火にかけて水分を飛ばす! 煙が出てきても怯んじゃダメ! 鍋全体の色が変わるまで焼き切るの!
3. 加護(油を塗る):
冷ましたら、オリーブオイル(または食用油)を薄く塗り込む! 内側も、外側も、蓋も全部だよ!
4. 供物(野菜くずを炒める):
最後にネギやショウガの切れ端(野菜くず)を炒めて、鉄の臭いを取る! これで準備完了!
使えば使うほど油が馴染んで、黒く光る「ブラックポット」に育っていくの。
私と鍋との愛の歴史が、この黒さに刻まれてるってわけ!(ドヤァ)
実践! 魔法の「丸鶏ローストチキン」

実際に作って、その威力を証明してあげる!
今日のメニューは、キャンプの王道「丸鶏のローストチキン」だよっ!
リョウリさんは、下味をつけた丸ごとの鶏と、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎを豪快に鍋に放り込みました。
水は一切入れません。
そしてここからが魔法の時間だよ。
「蓋の上」にも真っ赤な炭を乗せるの!
……待つこと40分。
厨房中に、香ばしい匂いが充満してきました。
さあ、開けるよリネアちゃん! 瞬き禁止!!
パカッ!
重たい蓋が開かれた瞬間、白い湯気と共に、黄金色に輝くローストチキンが姿を現しました。
皮はパリパリ、中からは肉汁が溢れ出しています。
野菜の甘い香りと、お肉の香ばしさが……これは、反則です!
実食:愛は味に変わる

野菜も鶏の旨味を吸って、トロトロになってるから!
切り分けてもらったチキンを一口。
……言葉が出ません。皮はパリッとしているのに、身は驚くほどジューシー。
野菜なんて、砂糖を使ったのかと思うほど甘くなっています。
ただの野菜とお肉を入れただけなのに、どうしてこんなに?
重たいし、手入れも面倒だし、錆びちゃうこともある。
でもね、手をかけた分だけ、絶対に「味」で返してくれるの。
エプロンの裾で煤(すす)を拭いながら笑う彼女を見て、私は素直に頷くしかありませんでした。
「手間を愛する」。
それが、この黒い魔法鍋と付き合うための、一番のコツなのかもしれません。
【今回のまとめ】
ダッチオーブンは、育てる鍋。
最初の「シーズニング」と、使い終わった後の「油塗り」を忘れずに。
大切に育てれば、親から子へ受け継げる「一生モノ」の相棒になりますよ!
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黒鉄の王、ダッチオーブン ――重厚なる沈黙と、熱の抱擁
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